あるお客さんから訴訟の出廷代行に頼まれました。
金型を生産する企業で、
金型ができてから、他所のメーカさんに磨く作業を依頼します。
その磨く作業のメーカさんは、
私のお客さんの知り合いの紹介で、
総経理は同じく日本の方です。
お客さんはそこの工場を見学した後、
お見積書に署名をしました。
日本人同士で、御互いの知人もあり、
契約書なんかは必要がないだろう、と思いました。
そのメーカさんは、金型を受けてから二週間後、
時間通りに加工したものを送ってきました。
工場長は製品を受領し、受け取り票にサインしました。
ところが、この磨いた製品は、
次の日テストをしましたら、品質に問題があると分かりました。
そこで、相手側に連絡して、
再度作業とお願いしましたが、無視されました。
その後、こちらからの電話にもでないし、
メールを書いても、返事は来ない。
更に、支払請求の手紙が来ました。
一方、お客さんはこの製品を、
次の顧客に渡さなければいけません。
この品質では無理なので、
仕方がなく、ほかの加工メーカさんに、
再度の加工を依頼しました。
が、一ヵ月後、裁判所から開廷の通知が来て、
例のメーカさんは加工費を払わないとのことで、
お客さんを起訴しました。
お客さんは、そのメーカさんが、
約束通りの品質要求に満たさないことで、
支払いをしないのは当たり前のこと。
また、更に他社に頼んで、最加工しましたので、
その損失、つまり、初回の加工の失敗で、
二回目の加工が発生しました。
この二回目の加工費は、
例のメーカさんが負担してもらう、と主張しました。
しかし、裁判というのは、
自分の主張に関して、証拠を提出しなければなりません。
私のお客さんには、
加工した製品の受け取り票に署名しました。
ある意味では、この製品には問題なく、
受け取ることにする、ということになります。
また、契約書がないので、
製品の検品に関する約定もありません。
この業種は製品をテストしないと、
品質は大丈夫と言えないの世界、と言っても、
いかに裁判官に分からせるのは、難問。
そして、渡される製品に品質がある、
と証明するには、裁判所の指定する公的機関にて、
検査、テストをしないといけません。
この辺の費用は余分な出費になります。
ですから、お互い日本人といっても、
商売は商売なので、
最低、基本の取引契約書を締結すべき。
また、テストしないと、品質は分からないということについて、
受け取り票に署名する時、
“品物は受領したが、
品質は○○日後テストしてからご報告する”
のような言葉を一筆したほうが無難です。